きょおのにっき
きょおも、ぼくわ、ひまでひた。いつもどおり、おひるにおきて、だらだらしてました。まるで休日の父親のように。昼間から缶チューハイを開け、ソファで横たわるその姿は、人間の形をした豚かと勘違いするほど、醜かった。
父親は、遊びをせがんでくる息子には一切の興味を持たず、昼のニュースを見ていた。息子の悲しそうな目、これを父親が知ることはない。
「今日は、週に2日だけ与えられた休日なのだ。自分の好きなことを好きなだけやって何が悪い。」
今にもそう言ってきそうな態度で、父親は新しい缶チューハイを求めに冷蔵庫へ向かう。
一方、母親はというと。これまた、家事もせずに、こたつで横になりスマホゲームに夢中だ。息子には、散々ゲームをするなというくせに、自分には甘いという始末だ。腹が減ったと言う息子に、冷凍庫にチャーハンがあるから自分で食えと今流行りのパズルゲームをしながら言った。彼女もまた、息子の悲しそうな目を知ることはないのだ。
悲しい星のもとに生まれた息子はというと、幸か不幸か、物事の切り替えが早い人間だった。両親にどんなにそっけない態度を取られても、数分後にはとっくに忘れている。元からその能力が備わっていたのか、それとも耐え難いこの環境に適応するために身に着けたのかそれは分からない。