The mirror in my mind

自分の心を映し出す鏡

アルコールに満たされた中で

 9%の350ml缶で酔ってしまうなんて。

 

 俺は今酔っている。自分の想いを話そう。俺はあの人が好きだ。いつもの通り顔や身体に惹かれた訳じゃない。彼女の心に惹かれたんだ。

 彼女はおしとやかでちやほやされる人でもない。でもその落ち着いた静寂な心が好きなんだ。ここで語らせてくれ。誰にも見つからないブログで。酔った俺は止められない。

 

 高校2年生の頃から、少し良い人だなと思ってた。だから自分なりに喋りかけたり、自分なりに積極的だったんだ。でもその頃の自分は弱かった。彼女の親友からアプローチを受けて付き合ってしまったんだから。

 高校を卒業して、離れ離れになってからも多少の連絡や付き合いはあったものの、それは友達としてだった。自分には付き合ってる恋人がいたり、恋人がいなくても女遊びを楽しんでたから、あの人のことをそんなに意識していなかった。あの人が彼氏と別れて、その相談を聞きに2人で飲みに行った時でさえも、俺は友達、または遊びの認識だった。自分はまだ弱くて、付き合える自信がなかった。あの時の帰り際の彼女の目は、俺に何かを求めているかのようだった。でも俺はそれに応えることはできなかった。ごめん。

 

 その後も俺はTinderで会った人と遊んだり、合コンをしたりして、自分の弱さを隠し続けてた。でも最近自分自身について考える時間が増えて思ったんだ。今まで顔の良さや身体を求めていたし、弱い女の子を見ると助けてあげたくて付き合ってしまう。だけど、俺が本当に好きなのは彼女なんだって。無償の愛を捧げられるのは彼女しかいないと感じた。

 

 別に振られたって良い。俺は好きだってことだけを伝えたい。心から好きだってことを伝えるだけで良い。伝えることに意味があるんだ。近いうちに、このことを言おうと思う。そうすれば、俺は悔いなく死ねる。もう2度と後悔はしたくない。 

星と太陽

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 昨日自分だけの宇宙を買った。これで昼でも星を見ていられる。

 

 最近なんだか星に取り憑かれている。何も思わずずっと星を見ていたい。そして色んな星座を見つけて、物語を感じていたい。そう思ってこのプラネタリウムを買った。

 写真のように部屋の豆電球をつけて星空を投影するのが面白い。豆電球がまるで太陽のように見えるから。自分だけの宇宙は太陽と星が共存している。

 

 こんな夜空を見ながら、俺はビールを飲んだ。別に酒は好きじゃないけど、アルコールが欲しかったから。孤独を忘れたくて、いや、孤独をより強く感じたくて、ビールを一気に流し込んだ。

 アルコールはある過去の記憶を思い出させた。頭を打って脳震盪を起こした時に、記憶を失った時の話。記憶はないけど、意識はあって当時の彼女に連れられて、歩いていたらしい。そして俺は皮の椅子に座ったあと、我に返った。なぜか分からないけど、すごく泣いた。今まで人前で泣いたことはなかったのに。

 今思うとその涙は、今まで一人で抱え込んできた悩みが無意識の中で溢れ出てしまったのかもしれない。俺は小学生の頃から親と不仲で、色んな悩みを誰にも相談できなかったから。

 

 他にも色んな記憶を頭で巡らせながら、俺は立ち上がって台所に向かった。いつも煙草を吸う場所。星が輝く幻想的な雰囲気を壊したくなかったから、電気はつけずに煙草に火を点けた。

 暗い場所で吸う煙草も、それは神秘的だった。先端で輝く赤い葉は、まるで大気圏に突入する隕石のようで黒と赤が混ざった色をしていた。二つの指で挟まれた小さな隕石は、どんどん指に近づいていく。そして自分の身体の一部になる。肺を痛める汚物として。

 

 頭が痛くなっても、煙草を求めてしまう。心に開いた穴を埋めてくれると信じている。でもそれは骨折した場所に絆創膏を貼るようなものだ。何本吸ったって、治りはしない。

夢現

 昼寝をしていた午後4時、夢か現実かわからないが、部屋のベッドの上でぼんやりと目を覚ました。

 

 そこはやけに静かだった。いつも静かな場所ではあるが、台所の換気扇であったり、何かしらの騒音はある。しかし、その時だけは何の音も聞こえなかった。

 

 無音の世界は、恐怖や悲しみもなければ喜びもなかった。感情すら無にさせてくれた。あの場所は、悩み込んでいた孤独から自分を解放してくれた。

 

 今切実に無音の世界に戻りたいと思っている。何も感じない世界。感情はなかったから美しいとも思わないが、それでもいい。

 

 また今度あの世界へ行くためには、代償として己の「生」を差し出さなければならないだろう。

 

 無になることは、案外悪くなかった。

the limit of joy

 近頃、悦びには上限があるように感じる。

 

 一時的な快楽を求めるたびに、寿命が縮んでいくんだ。俺はそれを体で感じている。

 

 煙草は本当に悪魔からの贈り物だ。プレゼントされた者は、その悦びを知り、そして堕ちる。吸い終わったあと、悪魔は背後で意味ありげな微笑みをしている。

 

 俺はそれでもいい。ヤンチャな人がよく「人生楽しんだもん勝ち」と言う。みんなはそれをよく小馬鹿にするが、この言葉は正しいと思う。自分の人生は自分だけのものだ。誰にも邪魔されるものじゃない。楽しむだけ楽しんで死んだ方がいいに決まってる。

 

 タバコ以外にも悦びに上限はあるんだろうか。恋や友情、酒とか。今後しっかりと考えてみよう。

 

 老人になって自分の体すらうまく操れなくなる将来は嫌だ。そうなるなら俺は若くして幸せのピークで死にたい。

ロールプレイング

自分の人生は、自分が主人公だ。好きなようにやればいい。

 

 悲しさや孤独で包まれている人は、自分を悲劇の主人公として人生をロールプレイしているように思える。

 どのような物事も悲観的に捉え、自分を悲しみの渦中に置く。周りから見たら純粋な楽しみを感じられない不幸な人に見えるかもしれない。でも悲劇のヒロインにとっては、それが唯一の精神安定剤であり、ある意味楽しんでいるのかもしれない。

 

 でも、バッドエンドで終わる君の物語に俺らを巻き込まないでほしい。俺らは、君を救う白馬の王子様でもないし、地獄へ誘い込む悪魔の使い手でもないんだ。ただの「知人A」や「知人B」であって、君の物語の重要人物じゃない。

 

 俺はいつも目を見て、どんな人だか想像するけど、君の瞳は黒い灰皿のようだ。タバコの汚れは、洗えば綺麗になるけど、灰皿であることは変わりはない。そういう運命。

贖罪

※贖罪・・・罪を償うこと。

 

 僕は、贖罪のために彼女を愛するのだろうか。

 

 一つ前のブログの続き。色々省くが、孤独に悩んだ彼女と二人で友達から借りたベッドで寝ることになった。

 彼女と横並びに寝ながら、僕はひどく傷ついた彼女を慰めてあげたかった。どうしよう、どうしよう、と考えた挙げ句、本能で行動してしまった。本当に動物的。動物的愛を与えろと神様が言ったのかもしれない。僕は一言も喋らないまま、彼女を抱きしめてキスをしてしまった。彼女もそれを受け入れた。けれども、

 

 「誰とでもこういうことするんでしょ。誰だっていいんでしょ。」

 

と彼女は言った。私じゃなくたっていいんでしょと。

 確かに、誰とでもいいからキスをしたいという時もある。ただ単に欲望のままに生きていきたいという時もある。そういう時に、適当な女と関係を持ったこともあった。

 けど、今のキスは違う。それは、僕の欲望のためではない。僕自身が考えついた一番の慰め方なんだ。

 

 しかし、そう僕自身に言い聞かせているだけなのかもしれない。僕はただ誰かとキスをしたくて、慰めることを口実にしただけかもしれない。誰とでも良いキスで、彼女をまた傷つけてしまった。

 

 この罪は彼女を好きになることでしか償えない。

奇数の運命

 都内でBBQをした帰り、僕は終電を逃したため友達の家に泊まることになっていた。みんなの家はBBQ会場からすぐ近くだったので、電車を使わずみんなで自転車や徒歩で帰った。これは、その帰り道の話。

 

 僕は、自転車を持っていなかったから、女の子の自転車の後ろに2ケツしていた。歩きの2人を残して、3人で自転車で帰る道。女の子の1人がこう言った。

 

「私さ、こうやって5人とかで遊ぶと、一人ぼっちになっちゃうんだよね。みんな男女で2人同士で話して、私だけ取り残される。そういうの慣れてるんだけどさ。」

 

 彼女は一人孤独になることを悩んでいた。霧雨が降る冷たい夜は、彼女の心を大きくさせていた。彼女は遊びに誘ってくれるのは嬉しいから、喜んで遊びに行くのだろう。そして、その中で誰かが話しかけてくれることを期待している。しかし、その期待は、儚い夢として終わる。何度も裏切られた彼女の心は、ひどく傷んでいたのかもしれない。

 

 暗い夜道でそんなことを話しながら、彼女の家の前までついた。そこで、残りの2人待ちながら、このあと僕の泊まる友達の家に遊びに行くか話していた。このときも、彼女はまた孤独になるのではないかと悲しんでいた。

 あとから歩いてきた2人が合流し、再びこのあとのことを話し合った。彼女は迷っていた。その時、ある子がこういった。

 

「私達は泊まるけど、行きたいなら来ればいいし、行きたくないなら来なければいいじゃん。自分の好きにしなよ。私は別にあなたが来ても来なくてもどっちでもいいよ。」

 

 この言葉が繊細になっていた彼女の心を傷つけた。来てほしいと言ってほしかった。あなたが必要と言ってほしかった。

 この言葉を発した子は、あとから歩いてきた来たから、悩んでいたことを知らないし、悪気があって言ったわけではない。

 

 その後、悩みを知っている僕らが友達の家に来るように言った。彼女の傷が深くならないように。